新型コロナが地方財政にもたらす影響

金目哲郎・弘前大学人文社会科学部准教授
聞き手)小林健一・日本経済研究センター主任研究員
開催:
06月29日(月) 00:00~00:00
会場:
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■講師略歴
(かなめ てつろう) 1995年早稲田大学教育学部卒。平塚市役所財政課主査、弘前大学人文学部准教授などを経て現職。横浜国立大博士(経済学)。専門は財政、公共経済。共著に『地域経営の課題解決―震災復興、地域ブランドそして地域産業連関表』

 

■要旨
地方税減少は長期化の可能性―人口分散は課題解決の好機

①新型コロナ感染症対策で地方の観光イベントは相次いで開催中止になっており、地元企業は大幅な減収を余儀なくされている。企業収益が悪化すれば、企業が納める法人住民税や法人事業税が減少し、従業員が解雇や減給になれば、従業員が納める住民税が減少する。各自治体の地方税収は1割から3割を超える減収になる可能性がある。

②地方税の税収減少は長期化する可能性がある。地方自治体独自の経済対策は、地域経済の崩壊を食い止めることに一定の効果があるが、経済対策の違いによって地域経済の回復スピードが異なってくると、経済活動が活発な自治体とそうでない自治体の間の税収格差がさらに拡大する懸念がある。

③新型コロナ感染拡大で大都市への人口集中のリスクが改めて認識されている。従来、大都市への人口集中の是正は地方の側の要望という面が強かったが、新型コロナ感染症が猛威を振るう現状では、人と経済の分散は大都市の側の要望でもある。人と経済の分散は、地方が抱える少子高齢化、人口減少という課題を解決するチャンスにもなる。