- 開催:
- 09月28日(月) 15:00~16:30
- 会場:
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■要旨
菅新政権は早期に成功事例を―デジタル化・規制改革は同時に推進を
①2020年8月の世界経済フォーラム理事会では、世界経済の見通しについて非常に楽観的な見方が示された。背景には新型コロナウイルスのワクチン開発への期待感がある。しかしワクチンはすぐに開発できるものではなく、過度の楽観は禁物だ。
②日本の菅新政権にとって必要なのは「アーリー・スモール・サクセス」である。マクロ経済政策は当面の最大の焦点となる20年7-9月期の実質GDPを踏まえた上で、機敏に対応してほしい。また、目玉政策であるデジタル化については、規制改革と並行して推進することが必要だ。携帯料金引き下げ、不妊治療の保険適用は、制度改革の面から評価できる政策だ。
③「自助・共助・公助」など民と官の役割分担の見直しも、大きな課題になるだろう。経済政策は中長期を見据えた改革の推進と、当面のコロナ禍対策・景気対策を、車の両輪として同時に進めていくことが重要だ。デジタル化と並ぶ日本の弱点である政府のガバナンスシステムの確立も望まれる。