- 開催:
- 11月16日(月) 14:30~15:30
- 会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました
■講師略歴
(くぼ ふみあき) 1979年東京大学法学部卒。89年東京大学法学博士。筑波大学社会科学系助教授、慶応義塾大学法学部教授などを経て、2003年から現職。アメリカ学会前会長
■要旨
新政権は当面国内課題を重視―対中姿勢の変化には注意必要
①2020年11月の米大統領選挙で民主党候補のバイデン氏が勝利し、共和党候補の現職大統領トランプ氏は敗れた(12月4日現在、トランプ氏は敗北を認めていない。次期大統領の就任日は21年1月20日)。バイデン氏の勝因としては、有権者の間でトランプ氏の政権運営への批判が強くその受け皿になった、民主党の資金力が強かった、白人低学歴層を一部取り返した――などが挙げられる。
②大統領就任が確実となったバイデン氏だが、政権運営は容易ではない。民主党は連邦議会の下院で過半数を維持したが、議席を減らし、上院の奪還も困難とみられるからだ(上院は1月5日に実施されるジョージア州の2議席の決選投票で勢力図が確定する)。新政権の優先課題としては、コロナ対策、経済対策、人種問題の解決、地球温暖化防止を挙げており、当面は国内課題重視の姿勢を取るだろう。
③外交についてはEU(欧州連合)、NATO(北大西洋条約機構)、日本、および国際連合などの国際機関と、協調的・友好的な関係を築くと見られる。ただ、中国に対する姿勢は対決色がやや弱まりそうで(ただし、オバマ時代に戻ることもない)、中国に過度に協調的・協力的になる可能性はないかどうかを、日本は注視していく必要があるだろう。