- 開催:
- 11月18日(水) 14:00~15:00
- 会場:
- ---
*収録動画の配信は終了いたしました
■講師略歴
(やまわき たかふみ) 2002 年東京大学大学院航空宇宙工学専攻修了。モルガン・スタンレー証券入社し、債券ストラテジストやポートフォリオ分析などに従事。BNP パリバ証券シニア債券ストラテジストを経て、10年にJP モルガン証券チーフ債券ストラテジストとして入社。17年から現職。日本・米国・欧州の幅広い債券市場の分析を担当し、日経ヴェリタス債券アナリスト・エコノミストランキング 債券ストラテジスト部門19年・20年2位
■要旨
米国金利、ねじれ議会なら大幅上昇の可能性後退―2021年初の上院選挙に要注目
①米国議会では上院と下院で「ねじれ」が発生するようであれば、大規模な財政政策の可能性が後退し、米国金利が大きく上昇する可能性が後退することになりそうだ。FED(連邦準備制度)による金融引き締めも当面は想定しにくい。10年金利が1.00%以上に上昇しても、長期的に1%以上で安定するのはかなり先の話になる可能性が高く、景気回復のペースが大きく鈍ってくれば0.50~0.75%のレンジで推移する可能性もある。
②ただ、2021年1月5日に実施されるジョージア州の上院決選投票で2議席共に民主党が勝利すれば大型財政に傾くことは避けられず、債券市場にとってのリスクとなる。現状ではねじれ議会となることがコンセンサスとなっているが、大統領選挙から2ヶ月経過した時点で行われる投票では結果が大きく異なる可能性もあり、極めて重要なイベントとなりそうだ。
③債券市場と株式市場には大きなデカップリングが起こっている。株式市場はワクチンの開発などもあり、景気は大底を打ったという見方が多いが、債券市場は米国経済の回復を楽観視すべきではないとみている。冬の新型コロナの再流行リスクや雇用情勢など懸念事項は多く、引き続き動向には注視が必要になりそうだ。