米次期政権の課題と日本

前嶋和弘・上智大学総合グローバル学部教授
聞き手)刀祢館久雄・日本経済研究センター研究主幹
開催:
12月04日(金) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(まえしま かずひろ) 1990年上智大学外国語学部卒、2007年メリーランド大学大学院政治学部博士課程修了(Ph.D.)、14年から現職。近著に『危機のアメリカ「選挙デモクラシー」』(共編著)など

 

■要旨
分断続く米国、バイデン氏の調整力に期待―対中圧力、環境と人権

①2020年の米大統領選挙は分断そのものだった。共和党と民主党の支持が分裂する中で、バイデン氏は無党派層の支持を得て当選した。次期政権は全国民からのマンデート(安定した委任)を得られていない状態でのスタートとなる。

②選挙の結果、民主党が上院でかろうじて多数となったが僅差で現実的にはねじれの状態に近い。民主党内左派からの圧力も強く、次期政権は議会と党内左派の間でバランスを考える必要がある。経験豊富なバイデン氏の調整力には期待が持てる。

③次期政権の外交はトランプ政権以前に回帰し、国際協調や気候変動が重視される。日米関係は強い同盟関係を軸に動くが、気候変動や人権問題に注意が必要となる。米中は新冷戦の状態が続き、対立が深まれば安全保障面で日本の価値は高まる。