脱炭素社会への道はビジネスチャンスに満ちている

小林光・日本経済研究センター特任研究員、東京大学客員教授
聞き手)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
開催:
12月18日(金) 11:00~12:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(こばやし ひかる) 1973年慶応義塾大学経済学部卒、環境庁入庁。97年同環境保全対策課長(京都議定書交渉担当)、09年環境省事務次官。13年東京大学工学博士、15年から東京大学客員教授。11年から当センター特任研究員。環境行政事務における功労により20年秋、瑞宝重光章を受章

 

■要旨
脱炭素は成長戦略の柱となる―「経済×環境」の好循環で生き残れ

①日本は脱炭素や省エネルギーにおいて、もはやトップランナーといえない状況にある。1997 年に京都議定書を締結し、温室効果ガスの削減目標を掲げ、2013 年にようやく排出量のピークを迎えたが、その後も「化石」頼みのエネルギー構造から抜け出せずにいる。

②現在、先進国で最も厳しい排出削減目標を掲げているのは英国である。英国は、グリーンリカバリーに関する10 の分野に着目した「10 ポイント・プラン」を表明し、国を挙げてグリーン分野での雇用創出・維持を目指している。

③立ち遅れ感のある日本だが、菅政権になって成長戦略の柱としてグリーン社会の実現を掲げ、巻き返しを図っている。次世代太陽電池の技術革新といった供給サイドへの政策にとどまらず、需要サイド(国民の消費行動)にも変革をもたらし、社会全体で「経済×環境」の好循環を作り出すことができれば大きな成長へとつながる。