2021年のグローバル・リスクを読む

大塚節雄・日本経済新聞社金融政策・市場エディター(米国・世界経済・マーケット)
刀祢館久雄・日本経済研究センター研究主幹(米欧・国際秩序)
伊集院敦・同首席研究員(中国・朝鮮半島・アジアの経済安全保障)
山田剛・同主任研究員(インド・中東・新興国)
開催:
01月19日(火) 14:00~15:30
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(おおつか せつお) 1994年早稲田大学政治経済学部卒、日本経済新聞社入社。2003~04年日本経済研究センター委託研究生(短期経済予測班)、15年ワシントン留学(ブルッキングス研究所客員研究員)、16~19年米州総局(ニューヨーク)、国際部副部長などを経て20年から現職

 

■要旨
世界経済の早期回復に課題―各国の対中政策にも注視を

①2021年に注意すべきグローバル・リスクとして、新型コロナ危機の長期化がある。米国の金融市場はワクチン普及や新政権への期待で好調だが、金融政策の正常化時期によっては市場の安定が崩れるリスクがある。新興国・先進国、官民問わず債務が膨張している点も危機の芽になりうる。

②バイデン米政権がコロナ対策に追われ、政策の実現にもたつく可能性や、中国との対立の先行きが読めない点も不安要因となる。中国は内政重視で国内の締め付けを強化するだろう。米国が対中政策で連携を求めてくれば日本は米中の間で難しい対応を迫られる事態も起こりうる。

③欧州はメルケル独首相の退陣後に不安が残る。欧州連合(EU)は英国の離脱でリベラル色が強まる可能性がある。グリーンやデジタルの分野の動きに注意を要する。

④北朝鮮によるバイデン政権揺さぶり、イランとイスラエルの衝突懸念、インドの内政・外交の動きにも注意したい。中東では中国の影響が強まっている。