デジタル人民元の狙いと可能性

露口洋介・帝京大学経済学部教授
聞き手)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
02月18日(木) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信期間:5月17日まで

■講師略歴
(つゆぐち ようすけ) 1980年東京大学法学部卒、日本銀行入行。在中国大使館経済部書記官、日本銀行香港事務所次長、同初代北京事務所長などを経て、2018年から現職

 

■要旨
デジタル人民元導入は第三者決済規制強化の一環―人民元国際化への寄与は限定的

①中国国内において第三者決済サービスが広く普及したことで、当局に入ってくる決済情報の減少や銀行の利鞘縮小など様々な問題が生じた。そのため当局は第三者決済機関に対する規制や監督を強化しており、デジタル人民元の導入もそうした規制監督強化の流れの中に位置づけられる。

②中国は「リブラ」のようなデジタル通貨を米ドルによる覇権の維持・強化に繋がる脅威として認識している。デジタル人民元の導入を急ぐ背景には、リブラの浸透を防ぐというある種、防衛的な意義がある。

③中国は過度な米ドル依存からの脱却を目指しており、中国の対外受払における人民元比率は高まっている。そうした意味では人民元の国際化は進んでいるといえるが、中国は資本取引を厳しく規制しているため、対外受払自体が急速に拡大して国際的に幅広く使用されるという意味での人民元の国際化はそれほど進んでいない。デジタル人民元が導入されたとしても、人民元の国際的な普及が大きく進むことはないだろう。