コロナ対策下の「バブル」とその行方

中空麻奈・BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長
開催:
03月10日(水) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(なかぞら まな) 1991年慶應義塾大学経済学部卒、野村総合研究所入所。野村アセットマネジメント、JPモルガン証券を経て、2008年BNPパリバ証券にクレジット調査部長として入社。20年から現職

 

■要旨
合理的に形成された異色のバブル―金融システム不安乏しく、崩壊の兆し見えず

①2021年下期にはワクチンが効いてコロナが収まり、景気が回復し、金利が上昇していくことが予測されている。ただ、ワクチンが効いた場合でも接種は国ごとにばらつきがあり、コロナ問題が早期に解決されるとは言い切れない。またワクチンが予想より効かず、景気回復が予測より遅れる可能性もある。

②現在の状況はバブルに該当すると考えているが、コロナ禍のバブルは金融政策・財政政策によって下支えされている景況感と長期的な金融緩和による流動性によって、いわば合理的に形成されたもので、今までのバブルとは異なっている。

③過去のバブルを振り返ると、崩壊が起きるのは金融システム不安が生じたときである。金融システムは安定していて貸し出しも伸びており、当面崩壊の可能性は低そうだが、コロナ禍をどう乗り切るか、肥大化した財政政策、依存しすぎの金融政策、積みあがった過剰債務からどう脱却するか、構造転換をどのように進めるのか、等々の動向について今後注視していく必要がある。