- 開催:
- 04月21日(水) 14:00~15:00
- 会場:
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■講師略歴
(ちょう いーりん) 中国遼寧省出身。08年東京工業大大学院博士(学術)、早稲田大学、富士通総研を経て、19年9月から現職。近著に『チャイナテック:中国デジタル革命の衝撃』(東洋経済新報社)
■要旨
デジタル基盤、米中二極化へ―台頭する新興企業、日本と補完も
①世界のデジタル基盤が米国集中から米中に二極化しつつある。中国ではコロナ危機との闘いでデジタル技術の応用が拡大し、テック企業が活躍したが、それまでに技術の開発と蓄積、社会実装が進んでいた背景を見逃してはならない。中央政府のグランドデザインと地域間競争、民間の活力の好循環が、デジタル社会へのリープフロッグ(カエル跳び)を実現してきた。
②中国のデジタル革命は「ABCD5G」(AI、ブロックチェーン、クラウド、データ、5G)の各分野を中心に、アリババをはじめとするテックジャイアント「BATH」がエコシステムを形成。新たなビジネスモデルを生んでいる。さらにバイトダンスなど次世代プラットフォーマーの「TMDP」が急速に台頭し、競争がし烈さを増している。
③BATHやTMDPによる新たな独占に対し、中国政府は規制の動きを強め始めている。国内ネット人口が頭打ちとなるなか、新興テック企業は海外志向を強める。対日進出も活発になっており、中国のデジタルノウハウと日本のサービスの新たな補完・連携の可能性が広がっている。