シリーズ DX社会で高まる経済学の力 (第1回)

急伸する経済学のビジネス活用―何をどう使っているのか

坂井豊貴・慶応義塾大学経済学部教授、Economics Design Inc.取締役
聞き手)田原健吾・日本経済研究センターデータサイエンス研究室長
開催:
05月27日(木) 11:00~12:00
会場:
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*収録動画の配信期間:8月26日まで

■講師略歴
(さかい とよたか) ロチェスター大学経済学博士課程修了(Ph.D)。市場設計の実務に従事。主著に『メカニズムデザインで勝つ』、『多数決を疑う』ほか。著書はアジアでの翻訳多数

 

■要旨
インターネット普及が活用後押し―設計自由に、学知使える場広がる

①自らが創業にかかわった会社も含め、ここ数年で日本でも経済学のビジネス活用が広がりつつある。学問には再現性があり、活用すれば自ら試行錯誤する時間やお金を節約できる。経済学の中でも実用化を重視する方向への変化が、近年のノーベル経済学賞受賞者にも表れている。

②経済学がビジネスで活用されるようになった背景としては、経済学の進展に加え、インターネットの普及が大きい。データの獲得・処理が容易になっただけでなく、経済学に基づくサービス設計の自由度が増し、昔から蓄積されてきた学知が使える環境になった。

③コンサルティング業務ではミクロ、計量、公共経済学など大学で学ぶような知見が役立っている。ただ市場設計などは学者だけでできることではなく、扱う商品の特性や商慣習を知る人も必要で、両者のコラボレーションが必要だ。

④経済学は、データ分析や市場設計などの「技術」と、概念の明確化や論理の立て方を含む「思考」の両方で役に立つ。とりわけコモディティ化しない「思考」の価値が高く、そのための教育にもオンライン講座などを通じて注力している。