水素社会の実現に向けて-グローバルサプライチェーンの構築

津吉学・岩谷産業取締役常務執行役員・水素本部長
聞き手)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
開催:
07月07日(水) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信期間:10月6日まで

■講師略歴
(つよし まなぶ) 1989年大阪大学大学院工学研究科卒業、岩谷産業入社。2013年シンガポール支社長、15年産業ガス・機械事業本部水素ガス部長、19年水素本部長を経て、20年より現職

 

■要旨
ブルー水素のコスト低減を―需要創出と海外からの大量調達が鍵

①日本は2050年までに脱炭素社会実現を目指している。水素は燃焼してもCO2を排出しないクリーンなエネルギーであり、化石燃料に代わる燃料として注目されている。再生エネルギーの出力調整にも貢献する可能性がある。しかし、水素製造過程でCO2を排出しては本末転倒だ。褐炭など未利用の化石燃料資源を用いて製造し、CCS(CO2の回収・貯留)を組み合わせたブルー水素の利活用推進が望まれる。

②水素の普及が進まないのはコストの高いからだ。低減には国内需要を増やし、大量生産できる体制確立が欠かせない。2030年までの水素利用は石炭火力発電での混焼といった発電分野が中心になる。輸送分野でのトラック燃料の軽油からの置き換えも有力だ。現在、発電での混焼の実証実験が進んでいるほか、米国では水素ステーションも広がっている。

③海外から安価で低炭素な水素を大量に調達することもコスト低減につながる。運搬・貯蔵の仕組み作りが進められており、豪州からの水素調達が実証段階に入っている。国内製造も検討されており、北海道の未利用褐炭等が注目されている。