シリーズ 日経センター中国研究 (第2回)

少子高齢化社会の衝撃ー人口問題にどう対峙するか

澤田ゆかり・東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
聞き手)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
07月15日(木) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(さわだ ゆかり)1986年東京外国語大学大学院地域研究科修士課程修了、アジア経済研究所入所。98年神奈川大学外国語学部助教授、99年東京外国語大学外国語学部助教授、2006年から現職。専門は中国の地域研究、社会保障

■要旨
産児制限の緩和、効果は不透明―膨張する社会保障費への対応が課題に

①人口爆発を回避するため、一人っ子政策を進めた中国では近年、少子高齢化が加速し、2013年に豊富な労働力人口を活かせる「人口ボーナス」のピークを過ぎた。政府は段階的に産児制限を緩和しているが、20年の合計特殊出生率は1.3にまで低下し、経済成長の陰で所得格差や貧困人口の増大が懸念される。

②少子化対策として生産性を高めるため、教育制度の充実が進む。一方、高齢化については、一人っ子政策以前に生まれた高齢者への社会保障体制整備に向けて制度の変更を行ってきた。年金、医療、生活保護などの制度を広く国民全体を対象として付与することにしたが、国の財政が大きく圧迫されている。

③社会保障の財源を確保するため、商業保険の活用、社会保障事業の民間委託、民間からの資金に注目が集まっている。特に民間からの資金である医療費のクラウドファンディングは一時、新たな社会保障のあり方として急速に加入者を増やしたが、当局の監督強化により勢いを失った。社会保障における財政問題は当面の間、続くと考えられる。