「メルケル後」に動くドイツと欧州

岩間陽子・政策研究大学院大学政策研究科教授
聞き手)刀祢館久雄・日本経済研究センター研究主幹
開催:
07月16日(金) 14:00~15:00
会場:
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■講師略歴
(いわま ようこ) 京都大学法学部卒業、同大学大学院博士後期課程修了(博士[法学])。在ドイツ日本国大使館専門調査員、政策研究大学院大学助教授などを経て、2009年から現職。専門は国際政治、欧州安全保障。著書に『核の1968年体制と西ドイツ』(有斐閣、2021年8月刊行)、『ドイツ再軍備』(中公叢書、1993年)など

■要旨
対中、対ロ政策は不透明―緑の党の連立政権入りが焦点に

①2021年9月26日のドイツ連邦議会選挙にメルケル首相は立候補せず、政界を引退する予定だ。16年の長期にわたるメルケル政権だが、任期の大半で左右の二大政党による大連立政権となり、政権基盤は盤石といえなかった。脱原発や難民の統合などリベラル寄りの政策を実施する中、保守の価値観の空洞化や国内政治秩序の流動化が進んだ。対中・対ロでは融和政策を推進した。

②9月の選挙では、キリスト教民主同盟(CDU/右派)の後任党首のラシェット氏がメルケル路線を継承する限りCDUの大勝はなく、緑の党が第二党につけてくるだろう。ドイツにとって最も望ましいのは保守政党と緑の党による連立だ。

③次期政権がCDUと緑の党の連立になった場合、政策の最優先事項として両者が一致しているのは、再生可能エネルギーや水素戦略などの環境問題や単一通貨ユーロの堅持などだ。対中・対ロ政策は緑の党とのバランスで決まってくる。ただ、ドイツの中国重視の姿勢は変わらず、インド太平洋地域には全方位的な外交が続くだろう。