シリーズ 日経センター中国研究 (第3回)

米中対立の行方―バイデン政権が目指すものは

呉軍華・日本総合研究所上席理事
聞き手)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
08月20日(金) 10:00~11:00
会場:
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*収録動画の配信はございません

■講師略歴
(ご ぐんか)1983年復旦大学卒。90年東京大学大学院博士課程修了、日本総合研究所入社。香港駐在員事務所長、米ウッドロー・ウィルソン国際学術センターシニアスカラーなどを経て、20年から現職

■要旨

①バイデン氏が大統領に就任して半年以上が経ち、2つの大きなサプライズがあった。1つ目はバイデン政権になっても米中関係の悪化に歯止めがかからなかったこと。そして2つ目は米国が同盟国とともに実施している対中政策が想定よりもうまくいっていることだ。アンチ・トランプで始まったはずのバイデン政権が、対中政策においてはトランプ路線を踏襲し、「トランプなきトランプ時代」が始まったといえる。

②現在の米中関係は「冷和」という言葉で定義できる。米国には「このままでは中国に飲み込まれるのでは」という恐怖感が本質にあるが、一方でグローバル化が進展し互いに持ちつ持たれつの関係という「和」の状態にもある。ただ、本格的競争の局面を向かえたため、なお「和」が残っているものの、米中関係はすでに冷戦下の米ソ関係に匹敵する厳しい状況だといえるだろう。

③米中関係の中期的な見通しとして最も可能性が高いとみているのは、1つの地球に2つの世界が存在するようになるということだ。中国は自国への自信を拡大しており、今後は安易な交渉に妥協することはなく、自らのやり方をより徹していく。デカップリングが進むだろう。