- 開催:
- 08月31日(火) 14:00~15:00
- 会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました
■要旨
水素大量輸入、脱炭素の切り札に―液化水素で運搬、実証実験が前進
①2050年までの「脱炭素」を実現するためには、水素の大量利用が不可欠の課題だ。日本は水素エネルギーの社会実装と政策において世界をリードしている。政府は17年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定。同年、世界を代表する有力企業によって設立された「Hydrogen Council」も、水素利用に向けた情報発信に注力している。
②液化水素を導入すれば、クリーンエネルギーの大量・長期・長距離の貯蔵・輸送が可能になる。当社はCO₂フリーの液化水素サプライチェーン構築計画を進めている。豪州で褐炭や再生可能エネルギーを用いて水素を製造。その過程で生じたCO₂は回収・貯留する。こうして製造した水素を液化して日本に輸送し、貯蔵して様々なセクターで使用する。
③この褐炭からの水素製造および長距離海上輸送は、現在は小規模なパイロット実証の段階だが、20年代半ばには機器サイズを商用規模に大型化して商用化実証に移る。そして、30年には利益を生む実ビジネスとして商用化する計画だ。水素エネルギーが普及すれば関連産業も成長し、広範な産業領域と雇用を創出するだろう。
■講師略歴
(にしむら もとひこ) 1987年同志社大学卒業、川崎重工業入社。2003年工学博士(東京工業大学)、技術開発本部技術研究所熱技術研究部長、理事同本部技術企画推進センター水素プロジェクト部長、准執行役員同本部水素チェーン開発センター長などを経て、2021年4月から現職。大阪府出身