ESG時代の調達戦略-環境・労働・人権にどう配慮するか

冨田秀実・ロイドレジスタージャパン株式会社代表取締役
開催:
09月16日(木) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信および資料の掲載はございません

■要旨
サプライチェーン全体に目配りを―対応怠ると企業のリスクに直結

①企業の調達の在り方として、CSR(企業の社会的責任)調達が求められるようになった。近年、サプライチェーンに様々な解決すべき課題が生じている。強制労働や児童労働、低賃金・長時間労働などの労働問題、地域住民や先住民族に対する人権侵害問題、生態系の破壊や水の汚染などの環境問題がある。

②サプライチェーンにおける人権侵害などは、ブランドを毀損させるだけでなく、企業を取り巻く包囲網により、企業活動そのものに影響を及ぼすようになってきた。包囲網とは国際行動規範や国際基準の変化、欧米を中心とする法令の強化、ESG (環境・社会・企業統治)投資の評価、顧客企業からの要求、市民社会の視線といった監視の目である

③サプライチェーンを通じた責任ある企業行動は、企業にとっては避けられない課題だ。「サプライヤー」の管理と「もの」の管理の側面から、CSR調達を考える必要がある。目配りしなければならないのは、サプライチェーン全体。対応を怠るとビジネスリスクに直結するということを忘れてはならない。

■講師略歴
(とみた ひでみ)東京大学工学部卒、プリンストン大学工学部化学工学修士修了。ソニー入社後、中央研究所勤務、本社環境戦略室長などを経て、CSR部発足当初から統括部長を約10年務める。2013年ロイドレジスターグループ入社、ロイドレジスタージャパン株式会社取締役を経て、20年から現職。ISO 26000(社会的責任)、20400(持続可能な調達)など国内外の規格等の策定に参加。近著に「ESG投資時代の持続可能な調達」(日経BP)