「米中覇権争い」と東南アジア(ベトナム)

梅田邦夫・日本経済研究所上席研究主幹(前駐ベトナム日本国大使)
聞き手)富山 篤・日本経済研究センター主任研究員
開催:
09月17日(金) 14:00~15:00
会場:
---

*収録動画の配信期間:12月16日まで

■講師略歴
(うめだ くにお) 1978年外務省入省、人事課長、駐中国日本大使館首席公使、南部アジア部長、国際協力局長、駐ブラジル日本国大使、駐ベトナム日本国大使(2016年10月ー20年3月)、20年5月から現職

■要旨

①米中覇権争いが激化するなか中国は経済とワクチン外交を駆使し、アセアン諸国の取り込みを強化。米国もアセアンとの関係強化を図っており、アセアンは今や「米中覇権争いの最前線」。

②多数のアセアン諸国が重要なパートナーとして中国を挙げる一方で、多くの国が信頼できる国として日本を挙げている。米中覇権争いが激化するなか、米国がアセアンを取り込むために日本が果たす役割は大きい。日本にとってもすべての分野でアセアンはとても重要なパートナーである。

③アセアンは政治・安全保障、経済、社会分野の地域協力ための重要な場を提供。一方、中国の分断工作により「一体性」はズタズタにされている。アセアンは中国の大国意識および脅迫外交に苦慮している。中国系市民の多い国においては、中国は外交問題だけでなく内政問題でもある。

④14年以降、中国の横暴を看過できなくなった米国は航行の自由作戦を開始し、ベトナムとの関係を強化。南シナ海が米中覇権争いの舞台となった。19年以降、中国は強硬な対外政策により墓穴を掘り続けている。南シナ海に関するアセアン主要国の対中姿勢は硬化し、また、香港、新疆ウイグル問題に関連してEU諸国の対中認識・政策は劇的に変化。中国は国際的に孤立を深めている。