どうなる地銀再編

野﨑浩成・東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科教授
聞き手)左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
開催:
11月10日(水) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(のざき ひろなり)1986年慶応義塾大学経済学部卒業、91年イェール大学経営大学院修了。博士(政策研究)。あさひ銀行、シティグループ証券などを経て、2018年から現職。2005~15年日経アナリストランキング(銀行部門)第1位


■要旨
①地方銀行の経営環境は市場金利の低下などにより厳しい状況だ。地方銀行は主要銀行と比較して、構造的に金利収入に依存しており、相対的に金利低下の影響が大きい。さらにコンプライアンスやサイバーセキュリティ、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応など収益に直結しない負担も増加している

②過去30年間で地方銀行の銀行数には変化がない。再編、連携、単独と、どの選択肢をとるかは各銀行悩みの種だろう。再編には時間とエネルギーをかなり費やす必要があるが、思い切った経営資源の再構築が可能になるため、再編の方がアライアンスより効率的だと考える。

③地方銀行の非上場化も選択肢の一つだ。「地域における盤石な信頼」と「付加価値としての金融機能発揮」で地域に根差した経営をすることが求められる。

④新型コロナウイルス禍で地方銀行は迅速な資金提供など良い働きした。ポストコロナで地銀には事業性が認められる借り手に対する胆力ある金融支援が求められる。目利き力を発揮して事業の持続可能性の判断することが重要だ。