中国プラットフォーマーの戦略転換-「コロナ」「規制強化」への対応

岡野寿彦・ NTTデータ経営研究所シニアスペシャリスト
司会)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
11月10日(水) 14:00~15:30
会場:
日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム

*動画の配信は終了いたしました

■要旨
伝統的企業と競争しながら提携―政府と企業、役割分担見直しへ

①中国のインターネットビジネスの特徴は、アリババやテンセントなどプラットフォーマーが社会の困りごと(Pain Point)をネット技術を使って解決し、消費者の囲い込みに成功した点にある。その規模の利益を追求する戦略が2015年頃を境に、企業サイドの効率化を支援、既存業界を再構築する戦略に転換している。

②この戦略転換で中国のプラットフォーマーは、製造業や金融業といった伝統的産業との融合を進めている。プラットフォーマーと伝統的企業が競争しながら提携するという動きである。これは日本が強みとしてきた領域に入り込んできたということを意味している。第2世代のプラットフォーマーが台頭してきたのも最近の特徴だ。

③中国経済の成長鈍化や米中対立の深刻化などを背景に、中国政府は「国家の安全」を重視するようになり、プラットフォーマーへの規制ポリシーを放任から政府による掌握・統制に変えている。プラットフォーマーは、科学技術強国の建設という経済安全保障に関する国家戦略への貢献が求められている。

■講師略歴
(おかの としひこ)上智大学卒業後、NTTデータにてSE、法務を経験した後、1995年より中国郵便貯金システム構築に参画、中国人民銀行直系企業集団との合弁経営等も歴任。2016年から現職。主著に『中国デジタル・イノベーション ネット飽和時代の競争地図』(日本経済新聞出版、2020年)