シリーズ 日経センター中国研究 (最終回)

習近平が描く政権運営―その強さと弱点

佐々木智弘・防衛大学校人文社会科学群国際関係学科教授
聞き手)湯浅健司・日本経済研究センター首席研究員
開催:
12月09日(木) 14:00~15:00
会場:
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*収録動画の配信期間:3月8日まで

■講師略歴
(ささき のりひろ)1994年慶応塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了、日本貿易振興機構アジア経済研究所入所。北京大学政治学与行政管理系客員研究員、復旦大学国際関係与公共事務学院客員研究員、中国社会科学院政治学研究所客員研究員、2014年防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授、2021年から現職。2017年南山大学博士号取得(総合政策)

■要旨
習近平氏の3期目続投は確実―「共同富裕」政策は政治リスクに

①習近平中国共産党総書記(国家主席)の政権基盤は盤石である。①政権の一体感、②「チーム習近平」による政策決定の掌握、③社会の消極的な支持の維持――の3つが強さの背景にある。2022年に開かれる党大会で、3期目の続投が決まるのはほぼ確実だ。

②21年11月に開かれた中国共産党第19期6中全会(中央委員会第6回全体会議)は、大きな注目を集めた。毛沢東、鄧小平に続く、第3の「歴史決議」を採択したからだ。習近平政権の成果をたたえ、習氏を毛沢東と並ぶ卓越した指導者と認める内容になっている。ただ、習政権が「共同富裕」という名の再分配政策を打ち出したことは、既得権益層の不満を招き、習政権にとっての政治リスクになる可能性がある。

③今後の注目点となるのは、22年の党大会における人事だ。習総書記の後任となる最高指導者の候補が登場してくるかどうかである。候補は、陳敏爾(重慶市書記)、李強(上海市書記)あたりだろう。外交を取り仕切る楊潔篪の後任には、王毅外相が昇格するのではないか。