共感資本主義―新しい時代に目指すべき社会

堂目卓生・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ長
開催:
02月17日(木) 14:00~15:00
会場:
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*動画の配信は終了いたしました

■要旨
助けを必要とする人を中心に位置づけ―自由を維持しつつ、共助の仕組みを

①産業革命以降、人々の生活は豊かになったが、今の日本と世界は危機に直面している。日本では人口減少、少子高齢化、地方の衰退、格差の拡大、自然災害、世界においては人口増大、貧困、格差、環境破壊、伝染病、紛争などの問題に向き合わなければならない。私たちはどんな未来社会を目指すべきか考える必要がある。

②アダム・スミスは資本家によるフェアな競争により労働者に雇用と収入が行き渡る社会、ジョン・スチュワート・ミルは機会を均等化することにより全ての人が競争に参加できるようにし、成長と分配を両立させる社会を構想。アマルティア・センはこれらの考えを発展させ、「弱者」の状態に置かれた人々の能力拡大を重んじる社会を構想した。

③ 私はセンの考えに「弱者が有能な人に与えるものがある」ことを付け加えたい。誰もが弱者になり得るこの時代、助けを必要とする人を中心に置き、助けることができる人が向き合って、そこに共感・共助が生まれる社会を目指すことが必要だ。自由な企業、交換、消費を維持しつつ、助けを必要とする人と助ける人が共感し、助け合う「共感資本主義」である。

■講師略歴
(どうめ たくお)1959年岐阜県生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。専門分野は 経済学史、経済思想。主な著書は Political Economy of Public Finance in Britain 1767-1873(日経・経済図書文化賞)、『アダム・スミス-「道徳感情論」と「国富論」の世界』(サントリー学芸賞)など。2001年より大阪大学教授。2018年より社会ソリューションイニシアティブ(SSI)長。2019年、紫綬褒章。