米FRBの出口政策、日本は何を学ぶべきか

小野亮・みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部プリンシパル
聞き手)左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
開催:
02月22日(火) 14:00~15:00
会場:
---

*動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(おの まこと) 1990年東京大学工学部卒、富士総合研究所(現みずほ総合研究所)入社。98年10月から2002年2月までニューヨーク事務所。02年みずほ総合研究所。米国経済担当、欧米総括、理事等を経て、20年から現職

■要旨
内需と雇用急回復によるインフレ高進で出口が前倒しに―物価上昇圧力欠く日本、労働市場の強さ見極めがカギ

①米連邦公開市場委員会(FOMC)は2012年1月にインフレ目標2%を公式に定めて以降、実際のインフレ率が目標水準で安定的に推移したことがないという反省から、20年8月に雇用格差問題と低インフレ解消を目指し金融政策の枠組みを修正した。しかし、21年半ばからインフレ警戒モードを強め、22年1月には約40年ぶりの高インフレとなったのを受け、金融緩和解除(利上げと資産縮小)に向け舵を切った。

②高インフレは、21年前半までは供給サイド(一時的な巣ごもり需要と物流の混乱)に起因すると考えられていたが、21年後半からは需要サイド(高い財需要と潜在的労働需要)に焦点がシフトした。日本や欧州主要国と違い、米国では強い需要は賃金へと波及し、期待上振れと相まって高インフレ定着リスクを強めたため、米連邦準備理事会(FRB)は金融政策正常化の動きを加速させた。

③日本には需要の増加や賃金上昇による持続的なインフレ圧力の高まりがなく、米国と状況が違うため、今の日銀の金融政策を急いで変える必要はない。今後も物価情勢や労働市場のファンダメンタルズを注視し、マーケットと共通認識を持つことが大事だろう。