バイデンの米国と4つの困難―中間選挙を展望して

菅野幹雄・日本経済新聞社上級論説委員兼編集委員(前ワシントン支局長)
聞き手)伊集院敦・日本経済研究センター首席研究員
開催:
04月22日(金) 15:00~16:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(すげの みきお) 1987年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、日本経済新聞社入社。経済部、ベルリン支局長、欧州総局編集委員、本社コメンテーターなどを歴任し、2018~22年ワシントン支局長、22年4月帰任

■要旨
高インフレで信認の低下顕著―中間選挙後は政治空白の懸念

①20年11月の大統領選に勝利したバイデン大統領は「Unity(結束)」、「Diversity(多様性)」、「Possibility(可能性)」、「Decency(品格)」の4つの理念を掲げた。「まともさ」への回帰を掲げたバイデン政権は多様性を重視した閣僚人事を敷いた。外交面では、パリ協定に即時復帰する一方、「バイ・アメリカン」法を施行するなど、国際協調を謳いつつも実利的に判断している。

②バイデン大統領は、①コロナ対応、②物価高騰、③外交のつまずき、④統治力への疑問の4重苦に直面している。累計のコロナ死者数はトランプ大統領時代を上回ったほか、インフレの進行が国民生活を圧迫している。対テロのアフガン戦争での実質的な「敗北」に加え、ウクライナを巡る問題でも有効な打開策を見いだせておらず、支持挽回の材料は見当たらない。信認の低下は深刻で、無党派層や若年層の失望を招いている。

③22年11月の中間選挙は、共和党有利の情勢が色濃い。民主党は下院の敗北が濃厚視され、上院も過半数を割る可能性が高まっている。中間選挙後は、何も政策決定ができない状態になるだろう。超大国がすくみ合う中、23年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の議長国である日本は、世界の空白を埋める役割を果たすべきだ。