- 開催:
- 04月22日(金) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム
*収録動画の配信は終了しました。
■要旨
夢への挑戦、人材育成にも効果―発射場が必要と判断、和歌山に整備
①ロケットや人工衛星などの宇宙ビジネスは、私が持ち続けていた夢である。キヤノンに在籍していた間は実現できなかったが、子会社のキヤノン電子の経営者となり、チャンスだと思った。最初の人工衛星はインドで打ち上げたが、長い準備期間が必要なことなどを考えると、自前のロケット発射場が必要だと判断した。
②宇宙事業のため共同出資の会社を設けた。和歌山県串本町に土地を確保し、民間初のロケット発射場を整備している。2022年末頃にはロケットを打ち上げる予定だ。センサーなどは私たちの持つ強い技術力が生かせるし、優秀な人材が集まるようになり、以前からの従業員にも刺激になっている。
③宇宙ビジネスに限らず、新規の事業を始めるに当たって必要なのは、他の成功例の「まね」をすることだ。また、経営者には「理念」が不可欠で、先人たちの言葉に学びたい。そして、「相手の立場に立ってものを考える」クセが社員にも身につくような教育を進めることが大切だ。
■講師略歴
(さかまき ひさし)1967年キヤノン入社。VTRの基礎研究、複写機開発、ワープロ、パソコン開発、総合企画等を経て、89年取締役、96年常務取締役生産本部長。スティーブ・ジョブズ氏とNeXT Computerの立ち上げなども担当した。99年3月にキヤノン電子代表取締役社長、2021年3月 代表取締役会長へ就任。環境経営の徹底により、社長就任後6年で売上高経常利益率10%超の高収益企業へと成長させ、現在、様々な新規事業に取り組んでおり、宇宙事業にも参入している。