<グローバル危機に聞く>
激動の国際情勢と日本の経済安全保障

兼原信克・同志社大学特別客員教授(元国家安全保障局次長)
開催:
10月19日(水) 10:00~11:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階カンファレンスルーム

*収録動画の配信期間:1月18日まで

■講師略歴
(かねはら のぶかつ) 1981年東京大学卒、外務省入省。国際法局長、内閣官房副長官補などを経て、2014年国家安全保障局次長を兼務、20年4月から現職

■要旨
日本の経済安保、再構築へ―官民協力の見直しがカギ

①「大ロシア」幻想を抱くロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻は、NATO拡大、集団安全保障条約機構(CSTO)の足並みの乱れなど同氏の思惑とは逆の結果を招いた。足元、ウクライナ・ロシアともに消耗戦の様相を呈している。来春以降の戦闘で雌雄が決するとみる。ロシアによる動員の行方、ウクライナの挽回、エネルギー逼迫に伴う欧米の疲弊を注視しておきたい。

②「一つの中国」の立場をとる中国の習近平国家主席は武力による台湾併合の可能性を排除していない。台湾は第2次世界大戦後、常に米国の影響圏にあり日米同盟の防衛対象でもある。台湾有事となれば、米国は武力介入し日本も後方支援を担う。台湾と距離の近い先島諸島もあり、日本が戦闘区域外となる可能性は低いだろう。

③米中大国間競争が激しさを増すなか、技術流出等に対する懸念が高まりを増している。日本政府も経済安全保障分野の対応を進めてきた。今後は、安全保障分野に国の資金を投入し民間の技術を伸ばす仕組みをつくる、政府全体を守ることのできるサイバーセキュリティー体制を構築することが必要だ。