これからの金融政策に求められるもの

木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト
聞き手)左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
開催:
10月21日(金) 14:00~15:00
会場:
---

*収録動画の配信期間:1月20日まで

■講師略歴
(きうち たかひで) 1987年早稲田大学政治経済学部卒、 野村総合研究所入社。2007年野村證券金融経済研究所経済調査部長兼チーフエコノミスト、12−17年日本銀行政策委員会審議委員などを経て、17年から現職

■要旨
日銀は物価目標至上主義を見直すべき―為替にも配慮した柔軟な金融政策運営を―

①日銀の異次元緩和政策はリーマン・ショック後の超円高を修正したが、過去10年間の金利の低下は小幅で、経済に与える影響は結果的に小さかった。異次元緩和で潜在成長率を高めることはできず、物価と賃金にも上昇のトレンドは見られない。

②国際金融のトリレンマのもと、世界は米国に追随して金利を引き上げ、通貨高競争が生じている。新興国も先進国も米ドル高への反発を強めている。日本は2%の物価目標達成に向けて日銀が緩和的な金融政策を続けており、海外との政策方向の違いから円安が進行している。円安を受けて、為替の安定を重視する政府は外国為替介入を実施しており、日銀と政府の足並みが乱れている。

③現在の日銀は2%の物価目標に縛られた硬直的な金融政策運営を続けているように見える。金融政策運営を、為替にも配慮した柔軟なものに修正し、正常化していくことが必要ではないか。だが、正常化への道のりは長いものとなりそうだ。