- 開催:
- 01月25日(水) 14:00~15:00
- 会場:
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*収録動画の配信期間:2023年4月24日まで
■要旨
独自サービスでモバイル時代に成功―IT規制後、政府向けなど次の注目分野も
①中国では「数字中国(デジタル・チャイナ)」という言葉があるほど、何でもデジタル化する動きが進み、ネット産業とは異なるビジネスに携わっていても、インターネットの視点から思考する必要があるといわれている。中国のIT(情報技術)企業の成長は米国の模倣から始まったが、2010年代から大きく変貌してきた。
②PCネット時代からモバイルネット時代への移行が10年ころから進んだのに対応し、TikTokを運営するバイトダンスなど新興企業の成功例が次々と出てきた。彼らは独自の工夫により、モバイル決済やショート動画、ライブコマースなどで利益を稼ぐ新たなサービスを生み出した。これらのサービスが海外から模倣されるようにもなってきた。
③中国政府によるIT企業規制の影響は大きい。背景には巨大化したIT企業の支配力を抑止すべきとの考えがあるが、成長企業の数で米国に差を付けられる傾向も出てきた。今後の成長のポイントとなるのは、実務的メタバース(3次元仮想空間)や、B2G(政府向けビジネス)のスマートシティ関連、政府も重視するサプライチェーンマネジメントなどだ。
■講師略歴
(たかぐち こうた) 2008年北京五輪直前の「沸騰中国経済」にあてられ、中国経済にのめりこみ、企業、社会、在日中国人社会を中心に取材、執筆を仕事に。「クローズアップ現代」「日曜討論」などテレビ出演多数。主な著書に『幸福な監視国家・中国』(NHK出版、梶谷懐氏との共著)、『プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション』(KADOKAWA、高須正和氏との共編)で大平正芳記念賞特別賞を受賞。