ESPフォーキャスト調査特別セミナー
どうなる日本の景気 2023

愛宕伸康・いちよし証券上席執行役員チーフエコノミスト
末廣徹・大和証券チーフエコノミスト
モデレーター)小峰隆夫・ESPフォーキャスト調査委員会委員長
開催:
01月31日(火) 14:00~15:30
会場:
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*収録動画の配信期間:4月30日まで

■講師略歴
(あたご のぶやす) 1991年神戸大学大学院経済学研究科修了、日本銀行入行。2010年調査統計局物価統計課長、12年日経センター短期経済予測主査などを経て、15年岡三証券チーフエコノミスト、20年から現職

(すえひろ とおる) 2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了、みずほ証券入社。14 年一橋大学大学院国際企業戦略研究科修了、15年シニアマーケットエコノミスト、22年から現職

■要旨
実質GDP成長率、1%台半ばで底堅く―潜在成長率上がらなければ、デフレに回帰も

①日米欧ともにコロナ禍でマネーストックが大幅に増加しているが、日本だけ名目国内総生産(GDP)やGDPデフレーターが全く伸びていない。日本経済はコロナ禍から着実に回復はしているものの、海外と比較して若干の低迷が目立つ。しかし、インバウンド(訪日外国人)による景気押し上げに期待しており、2023年度の実質GDP成長率は1%台半ばで底堅く推移するとみている。(愛宕氏)

②世界経済は景気後退懸念が強かったが、現状では堅調だといえる。一方、日本はインバウンドを含め経済再開への期待が大きかったものの、インフレ耐性の低さから財消費が低迷する等、緩やかな回復にとどまっている。インフレ耐性の低さは、コロナ禍で高まったプチ贅沢マインドの低下にも表れている。強弱まちまちの中、23年度は1.3%程度の成長を見込んでいる。(末廣氏)

③昨年の急速な円安進行やインフレは、10年にわたる日銀の異次元緩和のリスクが顕在化したものである。23年春に日銀は新体制となることからも、異次元緩和の総括と運用見直しが図られることを期待する。また、他国と比べ人口動態で不利な日本は、成長を追い求めるのではなく、課題先進国として日本独自の視点で社会保障費等の経済政策を実施すべきだ。(討論から)