- 開催:
- 05月12日(金) 11:00~12:00
- 会場:
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*収録動画の配信は終了しました。
■講師略歴
(すずき たかし)慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程満期退学、博士(法学)。財団法人日本国際問題研究所研究員、愛知県立大学外国語学部准教授などを経て、2023年4月から現職
■要旨
経済・科学技術で覇権狙う中国―日本は若者の受け入れが必要
①3期目に入った中国の習近平国家主席(中国共産党総書記)による政権は、内政については安定成長の追求やイノベーションの推進などを挙げている。ただ、少子高齢化、若年層の失業率の高止まりなど、構造的な課題は多い。外交に関しては、米国に対し強硬姿勢を続ける一方、欧米、日米、韓米関係の離間を狙ったり、欧州、オセアニア、北東アジア以外の地域への影響力を拡大したりするなど、活動が活発だ。台湾への圧力も強化している。
②ロシア・ウクライナ戦争から中国が得た教訓は、ロシアと違って食料や資源エネルギーの自給自足ができないため、エネルギーでロシア依存を強める一方、穀物輸送のシーレーン統制能力の向上に乗り出さざるを得ないことなどである。金融安全保障の強化と人民元の国際化推進も課題だ。
③習近平氏にとっての最優先命題は、中国共産党政権の維持である。最終目標は、「中華民族の偉大な復興」、すなわち、台湾統一と、中国を米国に代わる覇権国にすること。経済・科学技術の分野での覇権を狙っている。問題は就職難に悩む若者たちの存在であり、日本はこの中国人若年層の積極的な受け入れを考えるべきである。