- 開催:
- 05月26日(金) 14:00~15:00
- 会場:
- ---
*収録動画の配信は終了しました。
■講師略歴
(まつばら ひとし) 1986年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了、電子技術総合研究所(現・産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学システム情報科学部教授などを経て、20年から現職
■要旨
言語生成AIは教育などに大きな影響―ルール整備で利用促進、日本版開発も不可欠
①「Chat(チャット)GPT」は生成AIのうち言語生成AIの代表格である。ネット上にある大量の文章情報を学習し、各要素(単語)にパラメータの値を割り振る形で関連付ける重みづけ的な行為をしている。この重みづけの結果に従い、入力に応じて文章の生成をするだけで、回答の際にその正否の判断を行っているわけではない。もっともらしい回答をしているだけで、「噓をつく」こともよくある。
②ChatGPTの登場はインターネットなどの発明に匹敵し得る重要なことであり、社会に大きな影響をもたらすと考えている。それは便利な道具であることから、利用を禁止するのではなく、上手(安全)に付き合えるようルールの整備が欠かせない。日本においてもChatGPTを活用するという方向性は変わらない。特に長い目で見た時に、教育にもたらす影響は大きいと考えている。
③ただし経済や安全保障の問題、文化の違いなどから日本製のChatGPTを開発する必要がある。幸いにも、日本は欧米と比較して著作権法の改定により生成AIを開発しやすい環境にある。鉄腕アトムやドラえもんを生み出した国であり、心理的な側面から見ても日本は生成AIを受け入れやすい環境であると考えている。