- 開催:
- 10月03日(火) 14:00~15:00
- 会場:
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*収録動画の配信はございません
■講師略歴
(おおいずみ けいいちろう)1988年京都大学農学研究科熱帯農学専攻修士課程修了。2012年京都大学博士(地域研究)。1990年三井銀総合研究所(現日本総合研究所)入所、2019年から現職。『老いてゆくアジア』で2008年度発展途上国研究奨励賞受賞
■要旨
デジタル世代が増加する東南アジア─イノベーションを主導し、持続的な経済成長へ
①最新の世界人口推計によると、世界人口は2080年代の104億人をピークに減少に転じる見込みである。特に東・東南アジアは世界最大の人口規模を持つ地域であるが、少子化が顕著であり、早くも30年代には減少に転じる見込みである。
②東・東南アジアの生産年齢人口比率は1970年代に急上昇し、労働投入量の増加や国内貯蓄率の上昇を通じて経済成長を促進させてきた。2010年に生産年齢人口比率は低下に転じたものの、豊富な国内貯蓄額を有する中国から資金が流入し、それが東南アジアの経済成長を後押する要因になっている。他方、東南アジアのほとんどの国で中国が最大の貿易相手国となっている。
③デジタル技術のイノベーションが国の盛衰を決定すると言われているが、その主体は若者である。東南アジアでは2030年には生産年齢人口に占めるデジタル世代(1985年以降に生まれた世代)の比率が65.7%となる見込みであり、経済社会のデジタル化が急速に進む可能性がある。また、デジタル世代の関心が社会変革に向かい、政治的要求が高まることも考えられる。