<グローバル危機に聞く>
世界経済の変動と日本経済の進路

小峰隆夫・日本経済研究センター研究顧問
開催:
10月12日(木) 14:00~15:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階会議室

*収録動画の配信期間:2024年1月11日まで

■要旨
日本経済の形「別の世界」入りへ─スマートシュリンク掲げ将来像描け

①日本経済はコロナや輸入インフレといった外的ショックの影響から抜け出し、平時にもどりつつあるが、以前の平時とは違った、別世界へ入りつつある。

②GDPの水準は名目、実質ともコロナ前を上回り、また、GDPギャップが解消したことは従来からの非常時の需要積み上げ型の経済政策の在り方にも影響を与える。

③輸入物価上昇をきっかけに国内インフレが定着、賃金上昇を伴い平常化しつつある、これまでとは別世界の経済の元では、生産性を向上させ、供給力を高め潜在成長率を引き上げる政策が必要である。構造的な政策を長期的な視点で効果を見定め、財政規律を意識した経済政策を進めていくことが重要である。

④人口減少は経済成長にとってマイナスのイメージになりがちだが、生産性の向上で十分カバーすることが可能であり、国民福祉を高められるような経済・社会を目指す「スマートシュリンク」実現のための政策推進が重要である。