台湾総統選と米中台関係の行方

福田円・法政大学法学部教授
聞き手)伊集院敦・日本経済研究センター首席研究員
開催:
11月14日(火) 14:00~15:00
会場:

*収録動画の配信期間:2024年2月13日まで

*資料の掲載はございません

■講師略歴
(ふくだ まどか)2003年国際基督教大学教養学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。国士館大学准教授、法政大学法学部准教授などを経て、2017年より現職。 専門は東アジア国際政治史、現代中国・台湾論。著書『中国外交と台湾』など。

■要旨
蔡英文路線は継続されるか ―対米・対中関係が重要な争点に

①近年の台湾を巡る国際環境は、習近平政権の台湾政策と米中競争の影響で緊張化している。近年の中国との距離感に関する台湾の民意は多様化しており、中国は台湾の民意に対して硬軟織り交ぜた様々な工作を行っている。今年に入ってからは、米台会談に対する中国の抗議活動が軟化するなど、軍事的緊張が徐々に緩和し始めた。

②2024年の台湾総統選挙の立候補者は4名。現与党である民進党の頼清徳が、殆ど全期間にわたって支持率トップとなっているが、無党派層や若年層の取込みに苦慮している。有権者の中では野党連合に対する期待も高まっており、同日開催予定の立法院選挙でも民進党は苦戦を強いられる見込みだ。

③台湾の選挙における米中の影響力は強く、台湾メディアも各候補者に対する米中からの評価を連日報道している。選挙戦終盤の注目点は、副総統候補と比例代表の人選だ。それぞれの人選と、米中との関係は有権者の関心も高い。また、選挙結果によっては分割政府となる可能性がある点も注目だ。