最新の調査のポイント
4~6月期GDP、年率マイナス26.59%に下方修正―20年度はマイナス5.75%成長―
2020/08/13
―お知らせ―
■調査レポート「コロナ前水準回復は3年以上先 ―ESPフォーキャスト調査における見通しの推移― 」を公表しました。(2020年8月14日)
■「2018年度評価に関するテクニカルノート」を公表しました。(2019年10月24日)
ESPフォーキャスト8月調査(回答期間:7月30日~8月7日)の主な結果は以下のとおりである。
- 2020年4~6月期の実質GDP成長率(前期比年率)は▲26.59%と、7月調査より3.06%ポイント下方修正された。これは、設備投資と輸出が上方修正された一方で、個人消費が下方修正されたことに加え、GDPからの控除項目である輸入が大幅に上振れた結果である。成長率に対する寄与でみると、内需のマイナスの寄与度が若干縮小し、純輸出のマイナスの寄与度が増大した形だ。7~9月期は3.85%ポイント上方修正され、13.26%成長を見込む。
- 2020年度の実質GDP成長率は、7月調査から0.31%ポイント低下し、▲5.75%の見通しとなった。これは、日本銀行・展望レポート(7月16日)の中央値及び内閣府・年央試算(7月30日)より1.1~1.3%ポイント低い水準である。需要項目については、7月調査と比べて、輸入、輸出、設備投資、住宅投資が上方に修正された。21年度は3.36%のプラス成長に転じる。
- 消費者物価上昇率は、2020年10~12月期まで下落幅が拡大した後、徐々に上昇へ転じていくのは7月調査までと同じ動きである。しかし、20年7~9月期と10~12月期の上昇率は約0.2%ポイント上方修正され、上昇率がプラスに転じるタイミングも21年4~6月期と1四半期早まった。20年度についてみると、19年9月調査以来続いていた下方修正が止まって0.14%ポイント上方修正され、▲0.37%となる見通しである。
- 中国製造業PMI(国家統計局公表)の見通しは、2021年10~12月期まで「上昇(50超)」という回答が多く、「下降(50未満)」という回答は21年1~3月期の2人のみであった。
- 新型コロナウイルス対策として想定する財政出動の規模の平均は、2019・20年度の合計で名目GDP比8.88%である。
- 2018年10月の景気の転換点(山)の次の転換点(谷)について、回答者33名中31名が「過ぎた」とし、そのうち28名はその時期を20年5月とみている。
予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)
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調査結果の公表予定
2020年9月調査 9月16日頃
2020年10月調査10月7日頃
いずれも15:00頃を予定
「ESPフォーキャスト調査」とは
経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。