最新の調査のポイント

1〜3月期成長率は年率0.99%減、再びマイナスに -個人消費が減少、設備投資と輸出も鈍く-

2021/01/13

―お知らせ―

調査レポート「コロナ前水準回復、2023年にも ―ESPフォーキャスト調査長期予測からー 」を公表しました。(2020年12月15日)

「2019年度評価に関するテクニカルノート」を公表しました。(2020年10月14日)

「2019年度優秀フォーキャスターに聞く」を公表しました。(2020年10月14日)

「景気の転換点予測をフォーキャスターに聞く」を公表しました。(2020年10月14日)

2019年度優秀フォーキャスターを公表しました。(2020年10月7日)

調査レポート「コロナ前水準回復は3年以上先 ―ESPフォーキャスト調査における見通しの推移― 」を公表しました。(2020年8月14日)

 

ESPフォーキャスト1月調査(回答期間:2020年12月25日~21年1月7日)の主な結果は以下のとおりである。

  • 2020年10~12月期の実質GDP成長率(前期比年率)は3.73%と12月調査から上方修正された。一方、21年1〜3月期は下方修正され、0.99%減と再びマイナス成長に転じる見通しとなった。1〜3月期は、個人消費が3四半期ぶりに減少するほか、設備投資と輸出はプラスの伸びを維持するものの増加ペースが鈍いことが背景にある。なお、1〜3月期についてのフォーキャスターの見方は分かれ、高位8機関平均(2.81%)と低位8機関平均(マイナス4.36%)の差は、12月調査と比べて3.68%ポイント拡大した。回答者36人中22人が成長率をマイナス、13人がプラス、1人がゼロ成長とみている。
  • 年度の実質GDP成長率は、2020年度マイナス5.46%、21年度3.31%、22年度1.71%という見通しである。20年度は公的需要は増加するが、民間需要が大きく落ち込み、純輸出もGDPを押し下げる。21年度以降は民間需要、公的需要、純輸出がすべてGDPを押し上げる形となるが、22年度はそのプラス幅がいずれも縮小する。
  • 「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(2020年12月8日閣議決定)のGDP押し上げ効果は、20年度0.16%ポイント、21年度0.75%ポイント、22年度0.26%ポイントである。内閣府の試算(20年度0.5%程度、21年度2.5%程度、22年度以降0.6%程度)より低い水準にとどまる。
  • 2021年1〜3月期の総合景気判断DIは、12月調査から大きく下振れ、下降するという見方が強まった。
  • 消費者物価上昇率は、2020年10~12月期まで下落幅が拡大した後、徐々に上昇へ転じていく動きは12月調査と同じである。しかし、伸び率は下方修正され、20年度は前年比マイナス0.48%、21年度は0.16%、22年度は0.48%の見込み。失業率は、21年1~3月期の3.24%まで上昇した後、23年1~3月期の2.79%まで低下していく。
  • 対ドル円レートは、四半期別にみると水準は12月調査より円高へ修正されたが、今後の変化としては2023年1~3月期の105.43円まで一貫して円安へ向かう。新型コロナウイルス対策として想定する財政出動の規模の平均は、2019・20年度の合計で名目GDP比11.70%である。
  • 半年から1年後にかけて景気上昇を抑えるリスクのトップは「新型コロナウイルスの感染状況」で、それに「米国景気の悪化」、「円高」、「中国景気の悪化」が続く。

予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)

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調査結果の公表予定

2021年2月調査2月10日頃   
2021年3月調査3月16日頃  
いずれも15:00頃を予定

過去の調査結果はこちら

「ESPフォーキャスト調査」とは

経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。