最新の調査のポイント
10〜12月期成長率は年率3.49%に上方修正
経済対策による物価抑制効果は1.02%と予想
2022/12/15
ESPフォーキャスト12月調査(回答期間:2022年12月5日~12月12日)の主な結果は以下のとおりである。
- 2022年10~12月期の実質GDP成長率(前期比年率)は3.49%と、7~9月期のGDP速報値公表前に集計した11月調査より1.34%ポイント上方修正された。設備投資は前月調査並みだったが、個人消費と輸出が上振れし、輸入が下振れた結果である。10〜12月期の成長率を回答者36人全員がプラスとみる。なお、23年1〜3月期の成長率は0.99%増と1%を割り込む見込み。
- 実質GDP成長率(年度)の見通しは、22年度が1.65%、23年度が1.07%と、いずれも11月調査より下方修正された。24年度予測は0.99%と前月調査からほぼ横ばいである。22年度は民間在庫、輸出を除いて、23年度は民間消費、公共投資、公的在庫を除いて、すべての需要項目が下振れた。名目GDP成長率は、22年度は1.96%、23年度は2.68%と予測。
- 2022年10~12月期の消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同期比3.61%の予測となり、前月調査より0.38%ポイント上振れた。23年1~3月期以降は徐々に鈍化する見込み。22年度は2.76%、23年度は1.73%、24年度は1.16%と、前月調査より上方修正された。
- 2022年の原油価格は、94.01ドル/バレルと6カ月連続の下振れとなった。23年は80.16ドル/バレルとなる見込み。対ドル円レートは円安方向への修正が続いていたが、12月調査では22年度は137.58円、23年度は132.01円と、前月調査から円高予想に転じた。
- 日本銀行の次回金融政策の変更について、34人中27人が「引き締め」(前月調査では28人)、0人が「緩和」(同0人)、7人が「その他の政策変更」(同5人)を予想する。「引き締め」と予想するフォーキャスターのうち、8人が1年以内、19人が24年以降とみる。
- 2022年10月28日に閣議決定された経済対策による実質GDP押し上げ効果は平均で0.98%、CPI(総合)上昇率の抑制効果は平均で1.02%と見込まれる。
- 半年に一度調査する長期予測では、実質GDPの年平均成長率は、2024~28年度が0.82%、29~33年度は0.58%。消費者物価上昇率は、年平均で24~28年度が1.15%、29~33年度が1.19%である。国と地方の基礎的財政収支は、名目GDP比で25年度がマイナス3.12%、30年度がマイナス2.56%と赤字が続く。
予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)
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「ESPフォーキャスト調査」とは
経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。