最新の調査のポイント

10〜12月期成長率は年率2.43%に下方修正
―回答者3割が年内の長期金利目標「撤廃」を予想

2023/02/09

ESPフォーキャスト2月調査(回答期間:2023年1月27日~2月3日)の主な結果は以下のとおりである。

  • 2022年10~12月期の実質GDP成長率(前期比年率)は2.43%と、前回予測を0.83%ポイント下回り、2カ月連続の下方修正となった。輸出は上方修正されたが、設備投資と個人消費が下振れし、輸入が上振れた結果である。10〜12月期の成長率を回答者36人全員がプラスとみる。なお、1~3月期の成長率は前回調査から上方修正され、1.28%増の見込み。回答者36人中33人がプラス、3人がマイナスとみる。
  • 実質GDP成長率(年度)の見通しは、22年度が1.54%、23年度が1.05%、24年度が1.00%である。22、23年度は政府消費、輸出を除く全ての需要項目が下振れた。24年度は民間消費、設備投資、輸出を除く全ての項目が上振れた。名目GDP成長率は、22年度は1.96%、23年度は2.74%、24年度は2.08%と前月並みの予測。
  • 消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)は2022年10~12月期の3.7%(実績)をピークに23年以降は上昇率の鈍化傾向が続く見込み。1~3月期は2.95%となり、前月調査より0.24%ポイント上振れた。22年度は2.89%、23年度は1.87%、24年度は1.20%と、前月調査より上方修正された。
  • 原油価格は、2023年は79.29ドル/バレル、24年は78.63ドル/バレルと、前月調査より上方修正された。対ドル円レートは、円高方向への修正が続き、22年度は135.29円、23年度は127.05円、24年度は122.57円という見通しである。
  • 日本銀行の次回金融政策の変更時期について、35名中23名が「2023年内」(前月調査:17名)、12名が「24年1月以降」(同18名)と回答した。政策変更について、25名が「引き締め」、0名が「緩和」、10名が「その他の政策変更」を予想する。「引き締め」と予想するフォーキャスターのうち、14名が「23年内」、11名が「24年以降」とみる。
  • 長期金利の誘導目標については、35名中16名と、約半数の回答者が「24年末」までの「撤廃」を見込む(うち、11名は「23年末」までの撤廃を予想)。
  • 中国製造業PMI(国家統計局公表)の見通しは23年1~3月期以降、「上昇(50超)」とみる回答が多い傾向が続く。

予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)

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「ESPフォーキャスト調査」とは

経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。