最新の調査のポイント
4〜6月期GDPは年率1.18%成長、23年度CPIは2.59%へ ―基礎的財政収支、25年度にGDP比マイナス2.76%
2023/06/15
ESPフォーキャスト6月調査(回答期間:2023年6月2日~23年6月9日、回答者:36名)の主な結果は以下のとおりである。
- 2023年4~6月期の実質GDP成長率(前期比年率)は1.18%と、1~3月期のGDP速報値公表前に集計した5月調査より0.46%ポイント下方修正された。民間消費は前月並みとなり、設備投資は下方修正、輸出、輸入は上方修正された。4〜6月期の成長率について、回答者36名中34名がプラス、1名がマイナス、1名がゼロ成長とみる。23、24年度の実質GDP成長率はそれぞれ1.11%、1.10%となった。23年度の名目成長率は3.69%と前月から0.60%ポイントの上昇、24年度は2.27%の予想。
- 2023年4~6月期の消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)上昇率は3.24%と、前月調査(同2.93%)から上振れた。23年度は2.59%、24年度は1.62%の見込み。
- 日本銀行による次回のイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正時期は「23年7月頃」との回答が最も多かった(36名中15名)。25名が「23年内」に修正があると回答した。具体的な修正内容については、「長期金利誘導目標の変動幅拡大」の回答が最も多く、変動幅は現状の「±0.5%」から「±1.0%」、「±0.75%」へ拡大、という回答が多かった。
- 半年に一度調査する長期予測では、実質GDPの年平均成長率は2025~29年度が0.77%、30~34年度は0.55%の見込み。同期間のコアCPI上昇率の予測は、それぞれ年平均1.31%、1.26%である。25年度の国・地方の基礎的財政収支の黒字化は全回答者(34名)が「達成されない」とした。25年度の収支見通し(名目GDP比)は、マイナス2.76%となった。

予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)
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「ESPフォーキャスト調査」とは
経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。