最新の調査のポイント

7〜9月期成長率は年率マイナス0.48%
―「中国景気の悪化」がリスクの首位に

2023/10/11

ESPフォーキャスト10月調査(回答期間:2023年9月27日~23年10月4日、回答者:35名)の主な結果は以下のとおりである。

  • 2023年7~9月期の実質GDP成長率(前期比年率)は▲0.48%と、前回予測(▲0.47%)をわずかに下回った。下方修正は5カ月連続となる。9月調査に比べて民間設備投資や輸出はやや上方修正されたものの個人消費が若干下振れ、輸入はやや上振れた結果である。7〜9月期の成長率を35人中7人がプラス、27人がマイナス、1人がゼロ成長とみる。10〜12月期の成長率は0.71%増の見込み。
  • 年度の実質GDP成長率の見通しは、23年度が1.76%、24年度が0.93%、25年度が0.89%と、9月調査並みとなった。名目GDP成長率は、23年度は5.17%、24年度は2.26%といずれも9月調査からやや上方修正となった。
  • 2023年7~9月期の消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同期比2.95%上昇し、9月調査(同2.93%)並みだった。10~12月期は同2.48%、24年1~3月期は同2.53%の上昇となり、その後徐々に低下する見込み。23年度は2.79%、24年度は1.93%、25年度は1.49%を予測する。
  • 半年から1年後にかけて景気上昇を抑えるリスク要因は、「中国景気の悪化」とする回答数(29)が、6調査連続で首位だった「米国景気の悪化」(同28)を上回り、2022年5月調査以来の最多となった。これらに続いて「賃上げ不足」(同15)が3位に浮上した。(複数回答3つまで)
  • <お知らせ>
  • 日本経済研究センターは、ESPフォーキャスト調査において、2022年度の予測精度が高かった優秀なフォーキャスターとして、5機関5人を選出し、公表しました。詳細はこちら。(2023年10月11日)
  • 2022年度優秀フォーキャスターに聞くを公表しました。(2023年10月20日)
  • 2022年度 評価に関するテクニカルノートを公表しました。(2023年10月31日)New!

予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)

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「ESPフォーキャスト調査」とは

経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。