最新の調査のポイント

7〜9月期、年率マイナス0.42%成長に上方修正
―当面の長期金利「上昇も1%超えは続かず」が大勢

2023/11/13

ESPフォーキャスト11月調査(回答期間:2023年10月31日~11月7日、回答者36名)の主な結果は以下のとおりである。

  • 2023年7~9月期の実質GDP成長率(前期比年率)は▲0.42%と、前回予測(▲0.48%)をわずかに上回った。上方修正は6カ月ぶり。10月調査に比べて輸出と輸入がGDPを押し上げる方向に修正され、個人消費や民間設備投資の下振れ分を上回った。7〜9月期の成長率を36人中8人がプラス、28人がマイナスとみており、ゼロ成長の予測はなかった。10〜12月期成長率は0.77%増を見込む。
  • 年度の実質成長率の見通しは、23年度が1.80%、24年度が0.94%、25年度0.90%と、10月調査並みとなった。名目成長率は、23年度は5.26%、24年度は2.26%を予測する。
  • 2023年10~12月期の消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同期比2.56%上昇し、10月調査(同2.48%)より上振れた。24年1~3月期以降は徐々に伸びが低下し、24年10~12月期は2%を割り込む。23年度は2.84%、24年度は2.10%、25年度は1.53%の見通し。
  • 日本銀行が10月末に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めたことによる当面2~3カ月の長期金利への影響を聞いた。「上昇するが1%を上回る状態が続くことはない」が25名と大勢を占め、「1%を上回る」は8名だった。円相場へは「あまり影響はない」とする見方が多かった。
  • 中国製造業PMI(国家統計局公表)の見通しは、前回8月調査と比べ「上昇(50超)」が減少し、「横ばい(50)」が増加した。23年10~12月期、24年1~3月期は「横ばい」の回答が多いが、4~6月期は「上昇」と「横ばい」が同数となり、7~9月期以降は「上昇」とみる回答が多くなる。
  • <お知らせ>
  • 日本経済研究センターは、ESPフォーキャスト調査において、2022年度の予測精度が高かった優秀なフォーキャスターとして、5機関5人を選出し、公表しました。詳細はこちら。(2023年10月11日)
  • 2022年度優秀フォーキャスターに聞くを公表しました。(2023年10月20日)
  • 2022年度 評価に関するテクニカルノートを公表しました。(2023年10月31日)

予測記録(中位・高位・低位平均データ、長期予測総平均)(EXCELファイル)

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「ESPフォーキャスト調査」とは

経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。