代表挨拶

「富士山会合ヤング・フォーラム」座長

白石 隆 (公立大学法人 熊本県立大学理事長)

 21世紀に入り、世界は急速に変化しています。2000年、G7は世界経済の66%を占めていました。しかし、2020年には44%まで低下すると予想されています。中国、インド、ブラジル、インドネシアなど新興国の台頭のためです。また、2000年には欧米が世界経済の60%を占めていました。しかし、2020年にはこれも46%まで低下すると予想されています。アジアの台頭のためです。さらにアジアでは、2000年に世界経済の14%を占めた日本のシェアが2020年には5%以下に低下し、中国のシェアが18%に達してアジア経済全体の半分を占めるようになると予測されています。

  こうした世界的な富の分布の変化に伴い、力のバランスも急速に変化しています。1989年、中国の軍事支出は米国の3.3%でした。それが2016年には米国の33%に達しました。また、2014年にはインドの軍事支出も日本のそれを凌駕しました。2000年、科学技術では米国が圧倒的な優位をもち、英国、日本、ドイツ、フランスが第2グループをなしていました。しかし、2015年には中国が米国に次ぐ位置に付け、日本はかつての第2グループからも落伍しつつあります。

  その一方、我々は、この150年、国策を誤った時代もありましたが、第二次大戦以降、憲法と日米同盟の下、国民の厳粛な信託によって国政を行い、自由で豊かで、安全・安心な、また、国際的にみれば比較的平等な社会を作り上げ、世界とアジアの平和と安定と発展に貢献してきたと言えます。

  では、我々はこうした先人の成果を継承しつつ、いかにして急速に変化しつつある世界とアジアの中で生きて行くのか。どのような日本を作るのか。

  「富士山会合ヤング・フォーラム」は、こうした日本の戦略的課題に正面から向き合い、議論し、政策提言を行う、開かれた政策コミュニティの形成を目的としています。ぜひ、知的構えの大きい、想像力豊かな、議論と提言の場を一緒に作っていくことを期待します。