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日本経済の再設計 震災を越えて 脱原発依存時代の温暖化防止策

環境技術で競争優位を築け

―国際ルール構築に貢献を
―原発なしでの京都議定書の達成可能性とポスト京都

小林 光
  特任研究員

2012/02/13

 日本は、2011年11-12月に南アフリカで開かれた気候変動枠組み条約の第17回会議(COP17)で、暫定的に20年まで延長された京都議定書の下での対策には加わらず、全世界が参加する削減枠組みに参加するべく、当面は自主的な対策を行うことを表明した。しかし地球温暖化防止への対応を緩めることはできない。2020年に向け、中国などの新興国も巻き込んだ省エネルギー・新エネルギー対策の政策が強化され、世界には、大きなエコ市場が生まれる。環境技術の大競争時代幕開けに向けた合図を出したのがCOP17だったからだ。
 日本は温暖化防止をテコに国際的にビジネスを拡大できる力を持っており、その力を十二分に発揮できる国債ルール構築に取り組むことが重要になる。筆者は原発が停止しても、京都議定書が日本に義務付ける排出削減目標は達成可能とみているが、2020年以降の削減策に前向きの姿勢を見せ始めた米国や中国を巻き込み適切な仕組みを構築することが、日本自身のグリーン成長を実現するためにも重要なカギであろう。

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