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日本経済の再設計 震災を越えて 税・社会保障改革

活力と希望呼び込む税・年金改革を(2)

段階的改革も選択肢、まず「税方式化」着手を

 

2012/04/16

 当センターは昨年5 月、基礎年金(1階部分)の税方式化、報酬比例(2階)部分の民営化(積立方式移行)を柱とする税・年金改革を提案した。今回はこれに加え、より漸進的な2案をあわせて提示する。①前回提言では即時移行としていた2階部分民営化を段階的に進める、②改革を1階の税方式化だけにとどめる、の2つである。いずれの場合も消費税引き上げ・法人税減税を組み合わせる。マクロモデルによる試算の結果、いずれの場合も中長期的な財政中立(歳出入の変化が同額)を維持しつつ、経済活力を高められることがわかった。

 現在の年金保険料は税と同質化している。現役世代の負担はこの先さらに重くなる。若年層が未来に希望を持てるように、保険料は廃止すべきだ。即時が難しければ段階的でもよく、1 階部分の税方式化だけでもよい。年金改革は財源論が先行しがちだが、成長促進の視点が欠けると途中で頓挫する恐れが大きい。税・社会保障改革は、活力と希望を呼び込むことを主眼に置くべきだ。まずは1 階部分の税方式化に着手するよう訴えたい。

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