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2016年12月下旬に経済産業省の東京電力・1F問題委員会は、福島第1原発事故の処理に22兆円かかるとの再試算を公表し、政府は、その一部を電気料金に上乗せするとの方向性を示した。しかし日本経済研究センターの試算では最終的に70兆円近くに処理費が膨らむ可能性すらある。電力不足や原発が安価な電源という訳でもない状況下で原発を維持するには、過半数の国民が原発に懐疑的な状況を変える必要がある。国民負担の前提として東電の法的整理を含めた関係機関の責任の明確化、エネルギー源としての原発の必要性と責任ある過酷事故対策について透明性の高い説明が不可欠だ。政府は30年度に電力の22%程度を原発で供給すると計画しているが、信頼回復なしには画餅に終わる可能性が高い。
エネルギー・環境の未来を語るラウンドテーブル 福島第一原発事故の国民負担
事故処理費用は50兆~70兆円になる恐れ
-負担増なら東電の法的整理の検討を
-原発維持の根拠、透明性高い説明を
2017/03/07
※2017年4月18日にシンポジウム「原子力に未来はあるのか―存続・脱原発それぞれの課題」を開催しました。
※参考)14年4月から17年3月7日のエネルギー環境の未来を語るラウンドテーブルはこちら
※参考)14年3月24日以前のエネルギー環境の未来を語るラウンドテーブルはこちら
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-信頼回復に全力で取り組め
-立地地域との対話、経済性の再精査、安全性評価への第三者の目、今すぐにも原発は生き残れるか?