一覧へ戻る
エネルギー・環境の未来を語るラウンドテーブル 続・福島第一原発事故の国民負担

事故処理費用、40年間に35兆~80兆円に

-廃炉見送り(閉じ込め・管理方式)も選択肢に
-汚染水への対策が急務

 

2019/03/07

  2017年3月に当センターは、福島第1原発事故の処理にかかる費用が最終的に70兆円近くに処理費が膨らむ可能性があると試算した。2年の経過を踏まえ、関係者へのヒアリングなどを通じた限られた情報をベースに再試算してみた。その結果、汚染水の増加によって80兆円を上回る費用になる恐れがある。今回、新たに溶け出した核燃料デブリを取り出さず、廃炉を当面見送り、いわゆる「閉じ込め・管理」する場合も試算した。2050年までの総費用は35兆円程度にとどまる(その後の処理・処分費用は未定のままである)。2年前に当センターは「事故処理費用は50兆~70兆円になる恐れ」で指摘したが、事故から8年間を経過しようとしており、中長期のエネルギー計画の中で原発の存否について早急に議論、対応を決めるときではないだろうか。

※英文版はこちら

 

※参考)14年4月から17年3月7日のエネルギー環境の未来を語るラウンドテーブルはこちら
※参考)14年3月24日以前のエネルギー環境の未来を語るラウンドテーブルはこちら

バックナンバー

2023/05/12

経済構造変化なき成長、ゴミは増加

DXの加速が必要に

小林 辰男

2023/03/08

原子力政策、優先順位を間違えるな

原発の運転延長・新設より廃炉、核のごみ処理対策を

鈴木 達治郎

2022/12/19

建築物の脱炭素、新築・改修時の対応が不可欠

セメント不要のコンクリート、木材活用の後押しなどもカギ

議事要旨 第32 回

2021/11/26

「カーボンニュートラルの経済学」を出版

2050年への戦略と予測
2021年11月25日発売

小林 光岩田 一政小林 辰男

2021/07/15

国境炭素税、中国巻き込めば、効果4倍

CO2排出に世界共通の価格付けが重要
脱炭素へ2030年度46%削減は必達目標

小林 辰男川崎 泰史

2020/10/07

非効率石炭火力全廃でもCO2の8割削減は困難

排出削減効果は3.5%ポイント
脱炭素、DX社会への加速が不可欠

小林 辰男落合 勝昭川崎 泰史小林 光

2020/02/14

福島第一原発の廃炉、再検討が不可欠

-信頼回復に全力で取り組め
-立地地域との対話、経済性の再精査、安全性評価への第三者の目、今すぐにも

原発は生き残れるか?

鈴木 達治郎