2015年末の気候変動枠組み条約第21回会議(COP21)では30年までの温暖化ガス排出削減の具体的目標が決まる。日本も今夏までに削減計画を決める見通し。省エネルギー、再生可能エネルギー、原発、CO2の回収・貯留(CCS)の活用で30年以降、どの程度の削減ができ、コストとベネフィットはどうなるのか、試算した。米国並みの削減目標は可能であり、地球温暖化防止の国際議論をリードするためにも2030年度には3割削減を目標にすべきだ。一方、50年に更なる削減を実現するには、排出量規制や炭素価格の明示化も検討は避けられない。
表 各ケースの削減量
(注)63%削減のCCS活用ケースは脱原発でも原発維持でも、両者の差で発生する火力発電所のCO2はすべてCCSで吸収するので、排出削減量は同じ。脱原発は30年度以降、徐々に原発を廃炉にし、2050年度にゼロ。原発維持は30年度以降、発電量の15%を維持。
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