一覧へ戻る
コロナ危機と闘う

日銀のリスク性資産買い入れ、危機対策としての安定性を確保せよ

19年度は保有ETFに評価損が発生

左三川(笛田) 郁子
  金融研究室長兼主任研究員
中野雅貴:2019年度委託研修生
   

2020/04/02

 コロナ・ショックを受け、3月期末の株価が1万9,000円を割り込んだ結果、日銀が保有するETFに評価損が発生したとみられる。日銀は9年ぶりに損失引当金を計上する。危機が長期化すれば、日銀のリスク性資産や民間債務の買い入れも長期化する可能性があり、日銀は「出口」を迎える前に、赤字もしくは債務超過に陥るリスクがある。危機対策としての安定性を確保するためには、政府に損失補填を要請する事態に備えておく必要がある。政府も、市場の信認を失わないために、日銀との「財務面での」協力関係を示し、危機対策の金融政策の安定性を担保していくことが求められよう。

 

図表 2019年度は日銀保有のETFに2,000億円超の評価損が発生(右図は時価-簿価)


バックナンバー

2022/02/01

第6波収束には2月上旬にも緊急事態宣言を

宣言期間中にワクチン3回接種を加速
放置は濃厚接触者1日100万人超、21年度GDPを0.5%押し下げ

高野 哲彰小林 辰男

2022/01/05

ワクチン・アクセスの南北格差の解消に経済合理性

−援助から戦略的投資へのパラダイム・シフトを−

泉谷諒(研究生 大成建設より派遣)/ 出口恭子

2021/10/14

新しい資本主義下でも、“成長なくして分配なし”

DX加速で生産性高め、成長力引き上げを
脱炭素社会実現の堅持は国際公約

宮﨑 孝史高野 哲彰梶田 脩斗岩田 一政

2021/09/13

コロナ以前の経済活動レベル、3回接種でも戻せず

行動制限なしでは1月に緊急事態宣言、消費にもマイナス

宮﨑 孝史小林 辰男

2021/06/11

6月20日解除なら、五輪期間中に再宣言の可能性

有観客は人流強める誤ったメッセージに
7月下旬まで緊急事態宣言の延長を

梶田 脩斗小林 辰男

2021/03/18

現状放置なら5月下旬に緊急事態宣言の恐れ

まん延防止措置の機動的活用を
第4波防止、ワクチン普及の速度がカギ

小林 辰男高野 哲彰梶田 脩斗

2021/02/01

緊急事態宣言、ステージⅡまで継続を

21年春から消費は回復軌道に
医療・経済面で将来の恩恵大きく