政府は2030年度をメドに非効率な石炭火力廃止を検討している。脱炭素社会への第一歩として評価できるが、CO2削減効果はどの程度なのか?日本経済研究センターは7月に公表した第47回中期経済予測(速報:2020-35年度)をベースにして試算した。追加的な削減効果は35年度まで3.5%ポイントとなり、2013年度比38.4%減となる。コロナ危機後に進展しつつある社会のデジタル化(オンライン会議やネット通販の普及)を考慮に入れても、4割削減に留まる。2050年度に8割削減、その後、排出ゼロ(脱炭素社会)を目指す政府の長期目標達成には、再生可能エネルギーの一層の導入と最終的には石炭火力からの脱却、そしてDX(デジタル転換)による社会全体の脱資源・脱エネルギーを加速的に促すことが必要になる。
図 非効率石炭火力発電の全廃だけでは8割削減への道は険しい
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