個人情報を含むパーソナルデータの円滑な流通や活用は新たなサービス、産業を誕生させるとの期待が高い。例えば、パーソナルデータの流通・活用に有効と期待される情報銀行は、2020年10月末で5社 がすでに認定されている。しかし、事業者の期待もある健康・医療分野では要配慮個人情報は、情報銀行の認定対象外となっている。賛否両論ある中、その他の個人情報と比べ、個人の意図に反して流通した場合の問題がより深刻であることを考慮し慎重な対応がなされている。ただ当センターが想定した限定的な健康医療サービスですら200億円程度の価値が推計できた。ルールを定めて正しく活用できれば、情報銀行経由か否かに関わらず、健康・医療データは、個人と産業にDX(デジタル転換)の恩恵を広くもたらす可能性がある。
図 健康・医療アドバイスのサービス価値
(注)データ提供に当たり、各条件に対し健康に関心がある個人が支払ってもよいと考える金額
※20年11月24日付の日本経済新聞朝刊・経済教室に、小津敦主任研究員と高口鉄平特任研究員が寄稿しました。(医療体制とコスト㊥「医療データ活用、議論加速を」)
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